溺愛総長様のお気に入り。


……あれ?
指示通り呼んだのに、不満そうなのは気のせい?


彼はニコリともせず、むしろ不満げ。


すると



──ちゅっ。



そんな音とともに、おでこに柔らかく温かい感触が……。



「……!」



こ、これはっ……!


今、おでこに触れたものは……!!



「ひゃあっ!」



心構えもできてなかったせいか、本気で叫んでしまう。



え?なに?今のキス?


言われた通りにしたのになんでキスするの……!


無警戒だったし、よける暇もなくてまともにそれを受けてしまい、いま体中には鳥肌が立っている。


そんなあたしを見ても、彼は顔色ひとつ変えず。



「……なんかムカつく」



煌……くんは、あたしの膝の上に寝転ぶと、あっという間にすやすやと寝息を立てて。


夢の世界へ飛び立っていったのでした。

< 139 / 401 >

この作品をシェア

pagetop