届かない想い・愛される喜び

2️⃣なぜ?


海音・・・

お袋に言われた時間に
空港について・・待つが・・

そもそも、花恋は日本へ
遊びに来るのか?
あいつ、学生ではないよな?
と、到着ゲートの手前にいると

凄くスタイルの良い女性と
外国の男女数名のグループが
出てきた。

大量の荷物を持ち。
男性がそのスタイルの良い女性に
携帯を渡すと
なにやら話していた。

うん?日本語?
サングラスをしている女性の顔は
見えないが、俺のいる場所辺りで
顔の位置がとまり
海音君と口が動いたような
すると、男性が“かれん”っと
何度か呼んだ。
確かに、“かれん”!と。

俺は、そのグループに近づき
「葉山 花恋さんですか?」
と、訊ねた。
すると、答えない女性に変わり
男性が
「あなたは?」
「私は、葉山 花恋の幼馴染みで
南 海音と申します。」
と、言った。
「その、幼馴染み?の方が
なぜ、ここに?」
「あっ、えっと、
母親から、花恋が帰国するから
空港に迎えにいって欲しいと
言われたので。」
と、正直に伝えると
男性は、困った顔をしていた。

すると
「‥‥咲桜ちゃんは、元気ですか?」
と、女性はいいながら
サングラスを頭の上に上げた。

・・・・花恋っ・・・・

凄く綺麗で、びっくりしたが
「ああ、お袋も親父も元気だ。」
「洋二さんも? そうですか?
わざわざ、ありがとうございます。
ですが、私は、仕事で日本へと
来ましたので、スタッフと共に
移動致します。
申し訳ありませんが、
咲桜ちゃん、洋二さんに
宜しくお伝えください。」
と、俺に一礼すると
男性に
「ダン、行きましょう。」
と、再びサングラスをかけて
他のメンバーと颯爽と歩いて行った。

取り残された、俺の耳に
『ねぇ、ねぇ、あれ、Karenじゃなかった?』
『凄く、綺麗!』
『どうして、日本へ?』
『日本で仕事かな?』
『きゃっ、いつまで滞在するんだろう?』
写真を撮っている人や
キャーッ、キャーッ、
騒いでいる人達で
あっというまに人垣が出来て
直ぐに花恋達は、見えなくなった。

俺は、近くの人に訊ねてみた
「今の人は?」と。
すると、興奮冷めやらぬようで
「Karenよ、Karen。
イギリスの有名なモデルの。
日本人なんだけど
イギリスのViVeに所属して
活躍してるの。」
と、教えてくれた。
俺は、
「ありがとうございます。」
と、言ったが
興奮している彼女達の
耳には届いていないようだった。

花恋達に付いて沢山の人が移動した先に
大きなリムジンバスが来て
花恋のグループだけを乗せて
去って行った。

モデルか・・・

本当に、凄く綺麗になっていた。

俺の知っている花恋は、
いつもオドオドして
恥ずかしがりやだったが・・・

なぜだか・・・

俺は、かなり落胆しながら
帰宅したのだ。
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