届かない想い・愛される喜び

リムジンバスに乗ると
ダンに直ぐに携帯を渡された。
「カレンっ、大丈夫か?」
「······イー····サンっ······
  私っ······頑張ったよ·····
   なっ···なんで····今更····。」
「ああ、ダンに聞いた。
頑張ったな、カレン。
ごめんな、一緒にいてやれなくて。」
「ううん。大丈夫。
こうして、忙しいのに
心配してくれてるもん。
ごめんね、心配ばかりかけて。」
「カレンは、謝る必要ない
俺が、勝手に心配しているだけだから。
カレン、愛してる。」
「‥‥うん・・うん‥‥
  私も‥‥‥愛してる‥‥」
「また、後でかけるな。」
と、言って
ダンに変わるように言われた。

イーサン、怖かったけど
頑張ったよ。
スタッフにも迷惑かけたくなかったから
でも、一人だったら
無理だったかな・・と

ふるえが止まらない手を
両手で握り閉めながら
窓から外を見て、気を紛らわした。
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