キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
4-2
バレンタインも近くなり、ちょうどの連休に買い物に出かけることにした。

『僕がついていけたら良かったんだけど』

出勤前に真顔でミチルさんが言う。そこまで保護者同伴じゃなくても大丈夫です。


今年は暖冬って言うけど、晴れの日が多いワケでもないし、今日だって生憎の曇り空。雨の予報が出てないだけマシだ。雨男のお兄ちゃんの遺伝子受け継いで、あたしも雨女の素質あるのかも。

お正月にミチルさんに買ってもらったハーフコートの下は、レンガ色のケーブルニットとタータンチェックの膝丈スカート。それにロングブーツ。あったかインナーもしっかり着込んでるから、見た目ほど寒くない。

電車に乗り、会社で降りる駅を通り越して、百貨店がいくつか固まってる大きな繁華街までやってきた。
普段はショッピングモールで買い物するのが多いけど、たまに来ると、やっぱり人の多さに圧倒される。所詮は田舎者ですから!

あちこちから、大音量の音楽と呼び込みの店内アナウンスが流れ、店頭でも店員さんが声の限りに叫んでたり。活気があって、こういう雰囲気は嫌いじゃない。でもやっぱり、人が多い。
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