『俺のこと、もてあそんで捨てる気だな?』

課長の勢いに押されて、すみませんと謝ってしまった。
何で私が謝るのよ。
なんで私が課長のこと、もてあそんだことになるのよ。
もてあそんだって。聞き間違いじゃないよね?

課長とは、数ヶ月一緒に仕事をしてきた。
まったく知らない人ではない。仕事のやり方も分かって来た。
有能な人で、なんでもそつなくこなす。彼に任せておけば間違いない。
恋人になっても、彼の言う通りにしていれば、ずっと楽していられる。
このまま、流されてしまえば……

私には不釣り合いな、課長という立派な彼ができる。
こんなこと、今までなかった。
今までの彼と呼べたのは、パソコンだけが共通の趣味というオタクタイプだった。エンジニアと言う仕事をしてると、周りにいるのはそう言う男性が多い。
チェックのシャツにリュックを背負ってる。秋葉原でよく見かけるタイプだ。

彼らに比べると、課長は、私にはもったいないくらい素敵な人だ。