初めて津ヶ谷さんを目にしたのは、入社初日。

同期の子が『かっこいい人がいる!』と騒いでいて、目に入った。



伸びた背筋、柔らかな髪、優しい笑み。

それらはまるで王子様のようで、実際に彼が社内で王子と呼ばれていることにも納得ができた。



最初は部署も違かったから事務的な会話すらもなかった。

同じ部署になってからも、接点などないからまともに話したことはない。

それでもなんとなく目に入ってしまうのはどうしてだろうと思ってた。



けど、今ならわかる。

私も彼も、『外面』という、同じ仮面をつけた相手だったから。

インスピレーションを、感じていたんだ。





ふと目を覚ますと、そこはいつもと変わらぬ自分のベッドの上だった。



もう、朝……起きなくちゃ。

けとまだ眠い、と寝返りをうつ。すると目の前に広がる景色は、マンションの一室……ではない。



太陽に透けた障子と、木目の天井。

フローリングの床と同色の格子窓が、モダンな雰囲気を漂わせ、私の白いチェストがよく似合っている。



あれ、ここどこだっけ……。

横になったままぼんやりと考えていると、不意に襖が開けられた。


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