初めて彼のために作ったお弁当は、お世辞にも『完璧』にはほど遠いものだった。

焼きすぎたウインナー、大きすぎたおにぎり。そして、少し焦げた、砂糖多めの玉子焼き。

だけど、そんなふうに優しく笑ってくれるとは思わなかったから。

不意にこの胸には、嬉しさがひとつ込み上げた。






日曜日の朝、太陽の明るさに目が覚めた。

けど、もう少し寝ていたい……。昨夜は深夜までダンシングプリンスのゲームをやり込んでしまって、つい夜更かししちゃったからなぁ。

たまにの休みくらい、思う存分寝ていよう。



明かりを遮るように布団を被ると、少ししてから戸が開く音がした。



「彩和、おはよう。朝だよ」



それは津ヶ谷さんの声だ。

王子口調ということは近くの部屋に小西さんがいるため、夫婦アピールをしているのだろう。

ええい、私はまだ寝ていたいんだ。ここは無視してやる。



「まだ寝ていたい?なら仕方ないか」



諦めたように言いながら、彼は部屋をあとにする……どころか近づき、次の瞬間私のベッドに入り込んだ。



「キャー!なにベッドに入り込んでるんですか!変態!」

「寝てたいなら添い寝してやるよ。嫌ならさっさと起きろ」

「起きます!起きますから!!」



私が無視していたこと、そしてこうすれば私が飛び起きることもわかっていたのだろう。

だからって女性のベッドに入り込むなんて、最低!



渋々布団をとって体を起こすと、今日はスーツではなく私服姿の津ヶ谷さんは、ふふんと笑ってこちらを見た。