しあわせ食堂の異世界ご飯3
チラシに書かれているのは、苺、みかん、林檎などのフルーツの販売に関する内容だった。
 値段は市場で買うものと比べると約十倍で、かなり高額になっている。
(魔法具で空調管理をして、室内生産している果物っていうことか……)
 さっとチラシに目を通し、なるほどと頷く。

 この世界で作物を育てる方法は二種類ある。
 ひとつ目は、従来通り自然の気候に任せて畑を作り収穫していくというやり方。
 ふたつ目は、魔道具、もしくは魔法の力を使い空調を整え、収穫時期と外れた季節でも作物を育てて収穫するというやり方。

 収穫期ではない作物を食べられるのはとても嬉しいのだが、費用がかかっているため値段が従来のものより高くなってしまう。
 わざわざ購入してまで食べるのは王侯貴族くらいだろうか。
 かくいうアリアも、エストレーラにいたころはこの収穫方法のおかげでいろいろ助けてもらった。
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