スマイルウォーター
1話
2022年、医療法の改正により国家試験にさえ合格すれば20歳から医師免許を取得できる制度が成立した。
しかしその試験は難関で毎年合格者は1割にも満たない難しい試験だった。
そのため結局ほとんどの人は改正前の一般のルートでドクターになっていく事が多いのが現状である。
しかしそんな日本には医療界で高く評価される天才ドクターがいた。
それは手川繋である。
繋は子供の頃から学校の勉強と医療の勉強を熱心にしていた。
性格もクールで不愛想、一度興味を持った事には集中して取り組む少年だった。
友達と遊ぶ事もせず常に勉強ばかりしていたため両親も逆に友達と遊ばない繋を心配した。
しかしそんな性格だったため小中学での成績はスバ抜けて優秀で日本全国を相手にしても1番の成績だった。
そんな繋だったがなぜが高校は難関で優秀な高校ではなく敢えて近場の普通の高校である結姫ヶ丘高等学校に入学した。
理由として校舎が綺麗で校則が厳しいゆえにきちんとした生徒達が多いから勉強が受けやすいと考えたからだった。
またその学校には特別授業で医療関連の授業があったためそこにも魅力を感じ繋は入学した。
入学後、繋は相変わらず毎日学校と医療の勉強ばかりで周りの生徒達との交流をしていなかった。
周りの生徒も繋は真面目過ぎて逆に可哀想に思っていた。
何故なら青春をしていないようであったため。
繋は相変わらず小学生から変わっていなかった。
そして2年生になったある日、繋がいつものように帰ろうとすると目の前をある少女が横切った。
それは照日実奈だった。
実奈は繋の同級生で2年から転校してきた少女だった。
美少女で優しく明るい性格で繋は実奈を見た瞬間、一目惚れしてしまった。
今まで勉強しか興味がなかった繋だったが初めて勉強以外の高校の中で興味を持った人物であった。
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