リンク・イット・オール
◇1.きみの こえ
彼と出会ったのは、照りつける太陽が肌に痛いほど暑い夏の日。
行き交う人々の中、うずくまり消えそうになっていた私に声をかけてくれた。
朦朧とする意識で、うまく力も入らない。
声を発することもできない。
だけどただ、ひとつだけ。
彼が口ずさんでいた歌だけが、耳から離れなかった。
それは、今も変わらずに。
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