敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
6章 馴れ初め

いつも思うが、軽く声を掛けて誘ってきたのはそっちの方なのに、行為を終えて一度きりの関係だと軽く告げるとなぜ怒りだすのだろう。


「悪いが君とまた会おうとは思っていない」

「な……!」


このやり取りの後、平手打ちが飛んでくるのか泣かれるのか、はたまた食い下がられるのか。それは相手の性格による。


「別にいいじゃない。付き合ってほしいとは言ってない。たまにこうして会えたら……」

「だから、もう会いたくないと言ってる」

「っ……、バカにして……!」


避けることも出来たが、とりあえず殴られてやった。
避けるか甘んじて受けるかは、今後の見通しによる。

避けると更に逆上して、尾行したり俺について調べ上げてくる女もいるし、殴ったことで後ろめたくなるのか、スッキリするからか、それで付きまとわなくなる女もいるからだ。

とにかく女は何かと面倒だ。
なぜ男は女の身体で快楽を得られる構造になっているのだろう。
かといって男に快楽を求める気にはなれないので、仕方なく一夜限りの関係を築いては崩していく、その繰り返し。
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