俺がきみの一番になる。

俺、あきらめないよ


「はぁ」

一人で食べるお弁当は味気なくて、あまり食が進まない。教室では息が詰まるので、お昼は毎日中庭の木陰にあるベンチで休憩するようにしている。

同じクラスに友達と呼べるような人はまだいなくて、友達になろうと頑張って声をかけてみるけど、もう完全に輪ができてしまっていて、今さら入れるような雰囲気じゃない。

人見知りなわけでも愛想がないわけでもない私は、中学生になるまでは男女問わず誰とでも仲良くできるタイプだった。

異性の友達も多くて、毎日学校に通うのが楽しくてみんなで笑っていたような気がする。

でも中学生になってからは、周りの女子たちが変に男子を意識して避けるようになって……。

いつものノリで変わらず接していた私のことを、ブリッコと言うようになった。

『わざと声を高くして、イケメン男子狙ってるのがバレバレー!』

『友達面して、アピールがすごいよね』

『自分のことを名前で呼ぶところも、ブリッコの証拠だよ』

『だよねだよね、亜子ってほんっとウザい!』

『無駄におしゃれしちゃってさー! チビのくせに』

友達だと思っていた女子たちから陰口を叩かれていたと知った時は、心が凍った。一瞬なにが起こったのか理解できなかったけど、時間が経ってようやくわかった時はショックで涙が止まらなかった。

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