星空電車、恋電車

自分の部屋のベッドに寝転がって天井を見つめる。

もうこの家にいられなくなるんだ。
両親の話を聞いてもにわかには信じられない。現実感がないというか、これって本当に私の話なの?って感じ。

インターハイ予選を勝ち抜いた喜びなど一気にどこかへ飛んでいってしまった。
もしも、叔父さんのおうちで下宿ができなかったら、私は両親と神戸に行くしかないのだろうか。

県外に転校したらインターハイ出場資格はどうなってしまうんだろう。今年はここで出られるけれど、でも来年は?
神戸に行ったらどこの高校に行くの?

そして、
そして樹先輩とも離れてしまう。

樹先輩は地元の大学を受験するつもりだと聞いているから、卒業しても会えなくなるとは思っていなかった。会う回数が減っても会えなくなるなんて考えたことはない。
私も地元の大学に進学するつもりだったし。

…それなのに。

樹先輩にラインをしようか、と思ってスマホを手に取ったけれど今の状況や気持ちを正確に文字にする自信がない。先輩は受験勉強もしているだろうし、邪魔をすると思ったら電話もしにくい。
それにあの可愛い女の子、桜花さんが連絡するって言ってた。
電話をかけても話し中だったら・・・私は落胆と一緒にやきもちを焼き更に嫌な気持ちになるだろう。


結局、明日話すことにして連絡するのをやめてしまった。
それが大きな間違いだと気が付かず・・・



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