王子と王子…じゃなくて王女
毎日の行事?
ここはマルーデント王国。小さな国で、豊かなものといえば自然のみ。そんな王国には大きな問題があった。
それは…。

国王「まちなさいパフ!」

パフ「嫌だ!お父様はいつもそうだ!そうやって俺に無理矢理に結婚させようとして!もううんざりだ!」

始まりから騒々しいが、これがこの国の行事ともいえる毎朝の風景だ。国王であるジェペットが王女のパフに内密で、婚約者をつれてくる。そして喧嘩になる。これがマルーデント王国の日常だ。

今私が王女といったことで困惑しているだろう。

そう。彼つまり、パフは性別上は女である。
びっくりするのも仕方がない。服も髪型も、しゃべり方も、しまいには声もまるで男。
女のようだと思えるのはその小さいからだつきだけである。

何故、彼女は男装をしているのか、大体の予想はつくかもしれないが、一応説明する。
最初は普通に女として美しくも可憐にふるまっていたパフだったが、18が来た日に国王が、遠い国のパフより1つ若い王子をつれてきた。それがすべての始まりだった。パフがその日初めて初めて知り合ったばかりの男に怪我されたのだ。パフが暴れた為、最後まではされず、妊娠はしなかったがこのことにパフが怒り狂ったことは言うまでもない、、、。

それからと言うもののパフはジェペット国王を無視したり、返事をしても空返事。国王は、あまりの怒りで、あてつけで毎日王子をつれてくるようになった。

それからというものパフは自分を俺といいだし、自分は男だといって、男を無理矢理追い返したり、ついには声を変えたりするまでにいたった…。

ひどい話だがこの国ではそれが規則となっている。逃れようのない運命なのだ。

だからこそパフは嫌気がさしている。


さて皆の頭に浮かんでいる疑問に答えよう。
ではパフ以外に世継ぎを生ませるなりすればいいのでは?
そう思うのが筋だろう
だがそれはできない

なぜなら、ジェペットは一人の妻しかめとらず、その妻はパフを産んだとき、軟弱だったからか、亡くなったのだ。
ジェペットはまさか娘がこうなるとは思わず、亡き妻のために、一人親でいる選択肢を選んだ。
だが今はこの有り様。だから話は違う。だが国王は一向に他の嫁を探さない。理由はさだかではないがやはり亡き妻の為だろう。

だからパフしか王国の世継ぎを産むものがいないのだ

仕方なく待つことに国王はしたが、それでもパフは男装をやめなかった。だからまた再開した初日が今日なのだ。

パフ「お父様なんか嫌いだ!お父様がいる国も嫌いだ!」

ジェペット「パフお願いだから話を…」

パフ「嫌だね!」

パフはジェペットがさしのばした手を払いのけ、侍女たちが止めるなか長い廊下を走り抜け、そのまま走り城をでると、町に向かうのだった。

パフ心の声(お父様なんていなくなっちまえ!)

そんな言葉が走りながら脳裏に浮かぶパフであった




< 1 / 4 >

この作品をシェア

pagetop