「それでは改めて。翔君、さくら、婚約おめでとう」

父の言葉に、母も「おめでとう」と続ける。


昨夜の翔さんとの食事から帰宅した後、私が彼との婚約を了承したことを両親に伝えた。

予想通り両親は大喜びで……こうして今日早速、仕事終わりの翔さんを朝宮家に呼び出している。

リビングのソファに彼と並んで腰掛け、テーブルを挟んだ正面に座る両親は終始嬉しそうだ。


「いやぁ、翔君の様な立派な好青年を息子と呼べるのはとても喜ばしいことだ」

「ありがとうございます、お義父さん。そう言っていただけて光栄です」

「うちの子は二人姉妹だから、私も息子をもつのに憧れてたのよ。翔君みたいなかっこいい息子が出来て、私もとっても嬉しいわ」

「お義母さんもありがとうございます。お義母さんもとてもお綺麗ですよ」

「まあー! うふふ」


……というか翔さん、既に朝宮家に馴染んでいるなあ。先日お見合いで知り合ったばかりなのに。
私も決して人見知りという訳ではないけれど、ここまでのコミュニケーション能力も持っていないから素直に凄いなって思う。


ていうか私、本当に結婚するんだ……。

父からお見合いの話を聞いた時から、結婚するつもりではいたけれど、いざとなると少しだけ変な感じ。

嫌とかではなく、単純に不思議な感覚なのだ。
十年間、男性恐怖症と戦い続けた私が、いや現在進行形で戦っている私が、結婚するのだから。

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