誇り高きZERO.
新たな誤認逮捕?!

「竜ヶ崎、これで誤認逮捕の可能性は薄まったな。もう帰っていいかな」
「いいわけないでしょ。清水さんがあっちの窓から見てるんですから」
「俺、今日はオフなんだけど。報告に来ただけなんだけど」
「清水さんに見つかってしまったものは仕方ないでしょう」
「この後、何か美味しいものご馳走して貰おう。お前も来るだろ」
「嫌ですよ。そんな胃が痛くなるような会食。それより神童さん」
「泉な」
「失礼。泉さん。あれ、いいですか?」
「何が?」
「新たな誤認逮捕が生まれそうですよ」
「嘘だろ……」
 部屋の隅で小さな声で言葉を交わす竜ヶ崎と泉。そんな中、若き捜査官たちが声を上げた。
「犯人はガイシャの友人の水乃奏音だ!!」
「水乃が粟田を犯人に仕立てたんだな」
「確かに聞き込みの時、水乃は粟田を強く嫌悪してるようだった」
「決まりだな!!」
 大変な盛り上がりを見せている。
「決まったようですよ、泉さん」
「帰りたい……」
「何故でしょうか。マジックミラーなのにご立腹な清水さんが見えます」
「分かったよ、やればいいんだろー」
 泉は静かに目を閉じて、そして瞼をゆっくりと開いた。
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