アーサーさんは私を肩に担いだまま、まるで重さを感じさせない足取りで舷梯を駆け上がる。
 アーサーさんの肩はすごくガッシリしていて、ガツガツと顎がぶつかる背中も、鉄板のように硬くて広い。
 それに私を支える手は、大好きだった父ちゃんより、さらに大きくて力強い。
意識すれば、ドキリと胸が跳ねた。
 腹に、背に、触れるそこかしこから感じるアーサーさんの逞しさにドキドキと落ち着かない思いがした。
 アーサーさんが舷梯の最後の一段をトンッと上りきり、大股で船内に身をすべらせる。
 私たちが乗り込めば、乗組員の手で即座に舷梯が上げられた。
「よし、出航だエレン。ついてこい!」
 アーサーさんが肩に担いでいた私の脇腹をワシッと掴んだと思ったら、片手だけで支えてヒョイッと床に下ろした。
「わっ!」

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男装  溺愛  年齢差  航海