イケメンエリート、はじめての純愛⁇
天然のお姫様に救済の手を


「咲子様、具合でも悪いんじゃないですか?
さっきからうわの空で、仕事が全く進んでないようですけれど」


咲子は圭子にそう言われ、夢心地の気分から現実に戻った。

咲子は昨日念願の処女を喪失した。
26歳という年齢でこうなる事は、平均でいえばかなり遅い事はちゃんと分かっている。
だからこそ、その喜びと感動はひとしおだった。

そして、その相手が美し過ぎる映司だったという事。
咲子は眠りの森の美女の話を自分達に照らし合わせた。
映司は、お姫様を深い闇の眠りの中から優しく起こしてくれた王子様だ。

何もかもがピッタリと合い過ぎていて、咲子は興奮から抜け出せない。
もちろん、その美しいお姫様は自分なのですけれどと、微笑みながら。

そんな風に今日は一日ニヤニヤが止まらなかった。
はしたない事とは分かっているけれど、心も体もまだ映司を求めている。


「圭子さん、あの、私……」


あ~、誰かに話したくてしょうがない。
恋をする女の子の心理を圭子さんは分かってくれるかしら…?



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