クラスメイトの告白。


「白石さんに彼氏がいること知らなかったの?」


「え?茉雛、彼氏いたの?誰?」


……しまった。

言ってはいけないことだったかもしれない。


「えーっとね、うちの高校じゃない人かな……。私も噂で聞いただけだから、よく知らないんだけどね」


「ふーん、そっか」


私はあわてて話を戻す。


「事故のとき、緑河くんはどこにいたの?」


「俺は放送室にいたんだ。クリスマス会で使うCDをいくつか選んできてって茉雛に頼まれてさ」


「放送室には、どれくらいの時間いたの?」


「何分くらいかなぁ。何曲もオーディオで試し聴きしてたから2、30分はそこにいたかな」


「放送室には、ほかに誰かいた?」


「いや、誰も来なかった」


「そのあと、図書室に戻ったときのこと何か覚えてる?」
< 83 / 372 >

この作品をシェア

pagetop