その場に残された全ての生徒が、川名野々香が最期に発した「久保田先生」という言葉に、戸惑いと驚きを隠せずにいた。


 2年A組に在席している以上、その名前は決して一生忘れることの出来ない因縁のある名前だからである。


「……何でアイツの名前が出て来んの……? クズ田はこの前死んだじゃん……」


 その名前に一番動揺を隠せなかったのは、他の誰でも無く阿形萌菜である。


 喉の奥がカラカラと音を立て、ばっと開いた毛穴からは薄ら寒い汗が滴り落ちる。


 いつも自分の発言に怯え俯くだけだった川名野々香が、まるで別人のように積極的な行動に打って出たことから、一体彼女には何が見えていたのか、そこまでの考えも及ばなかった。



  
   

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