「佳穂だけは信じてたのに……」


「沙音瑠、やめてー!」


 千葉沙音瑠は蚊の鳴くような声で一言だけ発すると、何の躊躇いもなくバットを勢いよく振り下ろした。


 バットの先端を通して、確実に何かを叩く感触がハッキリと伝わっていく。


 何度も何度も確実に叩き、もはや自分でも何をしているのかわからなくなるほどだった。


 途中から熟れたような音と共に真っ赤な血飛沫がアーチを描いて自身の頬や教室の壁をみるみる染め上げていく。


 生温かい血の感触と鉄の臭い、生徒たちの断末魔のような悲鳴が教室内に重苦しく響き渡っていた。

     
   

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