最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~

2、解けた魔法

カーテンの隙間から漏れる日差しに気づいて目が覚めた。
「ん?……あれ?ここどこ?」
自分の部屋ではない。
二十畳程の広い洋室。
キングサイズの大きなベッドにひとり。
周囲には特注品らしきテレビやデスク、赤、黄、青の色鮮やかなガラスフロートの温度計が置かれている。
全てが新しくてホテルのような高級感があるけど、スポーツカーの模型とかも置いてあるし、個人の家のような気がする。
一体どうしてこうなったのか?
服は昨日の服のまま。
昨夜は小料理屋で蓮見さんと食事をしていたはず。で、なぜかこのベッドにいる。
突然ワープしてきちゃった感じだ。
蓮見さんはどこに消えたのだろう?
「ひょっとして、ここは彼の家?ってことは、社長の家〜!?」
顔からサーッと血の気が引いていく。
「今何時?」
時計を探してベッドサイドを振り返れば、シンプルなブラックのデジタル時計が置かれていて、午前九時十分を示していた。
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