最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~

4、優しい眠り

「蓮見さん……どうして?」
驚きで目を大きく見張る。
「九時過ぎてもメール送ってくるから、まだ会社にいるかと思って。日中は忙しくて話が出来なかっただろ?」
彼が自分のデスクにビジネスバッグを置きながら説明するが、その言葉が頭に入って来ず自分の疑問をぶつけた。
「……会食は?」
戻って来るなんて思わなかった。
「もう終わった。今はここに誰もいないし、俺達の話をしようか?」
蓮見さんは私の瞳を捕らえたまま、一歩一歩私に近づいて来る。
『俺達の話』ということは、十中八九週末のことだ。
「私は……話なんてありません」
彼を避けて帰ろうとするも、腕を捕まれた。
「俺はある。どうして何も言わずに帰った?連絡しようにも会社のメールアドレスしか知らなくて参ったよ。今朝顔を見るまで何かあったんじゃないかと思って心配した」
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