イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
ストレスを吹き飛ばせ
今泉君と週末を過ごした翌週、私は今泉クリニックの前に立ってた。
時間は既に午後七時を過ぎ、病院の明かりは消えて院内は真っ暗だったんだが……。


(私…どうしてこんな所にいるんだろう……)


確かさっきまでは学校に居残り、明日の授業の準備をしてた筈なのに。


ぼんやりしたまま病院の外を彷徨く。
こんな場所でウロウロしてても、今泉君に会える確証もないのに何やってんだろ。


「帰ろ。こんなとこにいつまでも居たら体冷える…」


病院に背中を向けて歩き出す側からチクチクと痛んでくる鳩尾。

時にきゅう…っと締め付けてくるから足が止まり、そこを手で押さえて顔をしかめ、ああそうだ、ここが痛くて堪らないから病院へ来たんだった…と思い出した。


(バカだな。来る時間間違ってるよ)


受診するなら明日の朝。
今頃来ても診てもらえる筈もない。


(こんな胃の痛みくらいで今泉君に連絡を取る訳にもいかないし)


出直そうと再び歩き出す。
胃痛の原因になった昼間の出来事を頭に思い浮かべながら、はぁーと深い溜息を吐き出した。


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