ナツマツリ

/初恋の人と気持ち



―――――――――――…


どきどき、と加速する鼓動を感じながら、練習場所に指定された近所の小学校のグラウンド前にひとり佇む。


「(行くか…!)」


毎年同じ行動を繰り返すあたし。長年一緒に祭を盛り上げてきた人たちだと知っていても、やはり一年も会わないと緊張するものだ。


目の前の柵に手をかけた、そのとき。


「ナツちゃん…?」


背後から聞える懐かしい声色に、思わず振り返る。優しい面持ち。短くて黒い髪。あたしの、初恋の人…。


「、圭さん。」

「やっぱり。すごく綺麗になったな。一瞬見違えたよ。」


そう言うとふわり、微笑む。その表情好きだったなあ、なんて思いながらも脳裏に浮かぶのは母親との会話。

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