ラヴ・ミー・テンダー

3・気持ち悪い手紙

数日後。

「もうホント、やんなっちゃう!」

テーブルのうえにジョッキを置いて叫ぶように愚痴ったのは、芽実だ。

彼女が例のOLとして働いている妹である。

「何で私があんな存在そのものが暑苦しいバカと結婚間近だって噂されなきゃいけないのよ!」

「大変だね」

私がそう声をかけると、
「大変どころじゃないわよ!」

芽実は言い返して豚串カツをかじった。

今日は妹と串カツ屋で一緒に飲んでいた。

「あのバカもバカでね、その気になってるのよ!

完全に調子に乗ってるのよ!

飲みに行こうなんてなれなれしく誘ってくるのよ!?

ジョーダンは顔と存在だけにしろ!」

完全に荒れに荒れている妹に、私は気づかれないように息を吐いた。

好きでもない…むしろ嫌っている男と噂になっているんだもん、いい気はしないよね。
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