先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

花金飲んで恋バナ!


金曜日

久しぶりに仕事帰りに花笑さんと飲みに出かけた。

私はザルと言われるほどの酒豪だけど花笑さんはお酒に弱い。
でもお酒の席は楽しくて好きだそうだ。だからたまに私の飲みに付き合ってくれる。
アルコールの弱いピーチサワーをちびちび飲みながら、すでに赤い頬がやけにかわいい。

「花笑さん、ずっと聞いてみたかったんですけど好きな人とか、付き合ってる人いるんですか?」

「えっどうしたの?急に」

「先輩モテるのに、そういう話聞いたことなかったな~と思って。」

「モテるなんて、あるわけないじゃない」

フフッと笑ってピーチサワーを一口。

「花笑さんのファンって結構いるんですよ~。気づいてないみたいですけど~」

「何言ってるの?知佳ちゃん、ファンだなんて。西川さんみたいに華やかな美人ならわかるけど」

照れちゃってるのかさっきまでちびちび飲んでたピーチサワーをぐびぐびっと飲んだ。大丈夫かな?

「ほんとですよ。怒りんぼで人使いの荒いの西川さんより、穏やかで優しい花笑さんの方が絶対みんな好きですよ!」

「知佳ちゃん、西川さんのことそんな風に言っちゃいけないわ。西川さんは人の技量を見極めて出来ない仕事をやらせるようなことはしない。んん~、人を使うのがとても上手なの。とても尊敬できる人よ。」

なんかちょっと考えてたみたいだけど、花笑さんは人の悪口を絶対言わない。
良いところをちゃんと見て相手を尊重することのできる人だ。

尊敬します!花笑さん!
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