エリート御曹司は獣でした
期待せずにいられない
◇◇◇

二月上旬、まだまだ鍋物が美味しい寒い毎日が続いている。

事業部の自席でノートパソコンに向かい、黙々と仕事をしていたら、「相田さん」と後ろから声をかけられた。

振り向けば、今日もスーツ姿が凛々しい久瀬さんが、微笑みを浮かべている。


「鶴亀酒造の件、あれでいいよ。さすが相田さん。緻密に作られていて感心した」


それは、朝一で久瀬さんに提出した、日本酒を入れる紙パックのプランニングに関する話だ。

望月フーズの件では、うっかりミスをしてしまったので、今回は顧客にプランを見せる前に久瀬さんに確認してもらった。

細部にまで注意を払って作ったものなので、自分でも自信があったが、褒められると嬉しいものである。


「ありがとうございます。納期は来週なんですけど、なるべく早くと言われているので、今日、先方に連絡してみますね」

「ああ。それと提出の際には、NEパックの検証テスト結果も添付した方がいいだろう」

「はい、わかりました。今日中にまとめます」

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