オジサンに恋しちゃダメですか
第2章 奢ってやる
それから何故か、外川課長からお呼びがかかる事が、多くなった。

「瀬田。これ、コピー10枚。」

まだ私が課長のデスクに行っていないのに、課長は1枚の書類をヒラヒラさせている。

「奈津菜。課長に呼ばれているよ。」

「くー。この忙しい時に。」

エクセルと奮闘中の私は、春乃の言葉を受けて、立ち上がった。


「はい。」

「遅い。俺がコピーと言ったら、直ぐに立て。」

「すみません。」

面倒くさいから、直ぐに謝って終わり。

そして私は、まるで白い旗のように揺れている1枚の書類を受け取って、コピー機の前に向かった。

「10枚だぞ、10枚。」

「はい。」

わざと大きな声を出して。

ほら、みんな笑ってるじゃん。

大体、コピー機に一番近いのは課長なのに、どうして自分にやらないの?
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