「ちーくん」

トンカツをもぐもぐ咀嚼しながらマリちゃんが俺を見上げる。

ぷっ、唇の端に衣が付いてる…。

俺は無意識のうちにそれをペロリと舐めた。

「……!」

目をまん丸く見開くマリちゃん。

たちまち真っ赤になったほっぺが可愛くて、俺は彼女の頬をムニッとつまんでもう一度唇を寄せようとしたんだけど…。


「だーかーらー!
そういうことは家でやれー!」


森山さんに怒られた。


マリちゃんとのこれまでを思い出していたら、ここが図書室で、今昼休みで、邪魔な森山さんがいることなど頭から飛んでいた。


まぁそうだよな。

会社で、邪魔者がいる前でイチャイチャすることはない。

会社を一歩出れば、俺は毎日彼女のぷにぷにのほっぺとかぽよぽよの二の腕とかムチムチの腰回りとか愛で放題なのだから。


そう思ってはいてもマリちゃんの頬から手を離さない俺を、森山さんは氷点下の眼差しで射抜く。

だってしょうがないじゃないか。

俺の手が勝手にマリちゃんのほっぺに吸い寄せられるんだから。