本当に優しいのは、君でした。(短)
君を追いかけた。


「舞っ、待てよ!

なんで、そんな態度なんだよ。
強がるな、泣いていいんだよ!」

生徒玄関で、靴を履き替えていた舞にーー、摑みかかる勢いで言った。


「私は、泣かない。

泣いてる暇なんか、ない。
保育園に、行かなきゃっ。
あの子達が居るからっ」


舞には、2歳になったばかりの双子の妹がいる。

まだ、小さな子供達。


強引な俺の手を、払い落とし舞は俺を睨んだ。

「私にはあの子達が、全てなの。

支えて生きて行かなきゃ、いけないの。
泣いてる暇なんか、ないのよっ」





君はーーーー強い。



両親が、死んできっと一番不安なのはーーー君だ。


まだ、君はーー幼い少女なんだから。

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