結婚前夜
side悠人
「はぁ……」

俺はベッドの上で、15回目の溜息をつく。

いよいよ明日、結婚式だ。

相手は、同じ会社の後輩である、山本優奈《やまもとゆうな》。

プロポーズを半ば無理矢理OKさせて今日まで過ごして来たが、明日には籍を入れるのだ。

彼女が後悔を残したまま結婚してもいいのだろうか…。

ここで悩んでも仕方ない。
取り敢えず、顔を見て話がしたい。
そう思った俺は、彼女の実家へ向かって車を走らせていた。


優奈とお見合いをしたのは半年前だ。

俺の上司である人事部長と、彼女の上司である総務部長とが間を取り持った。

事の発端は、人事部にいる俺が彼女と別れたとの話を聞きつけた人事部長が、親身になって相談に乗ってくれた事だ。

人事部長と言うだけあり、社内の人間関係については熟知している。

元々、社内恋愛等にうるさくない会社なのだけれど、人事部は個人情報を取り扱う部署だから、普通だったらその様な恋愛沙汰には上司が口を挟む事はない。
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