契約新婚~強引社長は若奥様を甘やかしすぎる~
3.契約結婚の条件

「ふう、おなかすいたぁ」

終業時間の午後六時をちょうど迎えたころ。

私は上司に指摘された原稿の直しを終え、自分のデスクでうーんと伸びをした。

頑張った脳に、とりあえず糖分補給を……。

私はデスクの一番下の引き出しを開け、常備しているお気に入りのかりんとうを出した。袋の口の部分がチャック式で、食べかけでも湿気にくいのがありがたいんだよね。

そんなことを思いながら、一本のかりんとうをぽり、と一口かじった時だった。

「せせ、先輩~!、いま、このビルの真下で、高級外車からすんごいイケメンが出てきたんですけど!」

取材か何かから帰ってきたらしい花ちゃんが興奮気味にオフィスに入ってきて、話しながら一目散に窓辺に駆け寄った。


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