ヴァンパイア夜曲
第5章*ヴァンパイアと花嫁

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「霧が晴れたとはいえ、相当道が入り組んでいるみたいだね」


東の関所を再び訪れた私たち。

国境の門番は「まさか、本当に通行許可状を持ってくるとはなあ…!」と驚いていた。

彼に見送られながら門の先に進むこと数十分。

ずいぶん長い間人の出入りがなかったらしい樹海は道という道がなく、木々をかき分けて進む他ないようで、想像よりもその道のりは険しかった。

私は、ぽつりと呟く。


「それにしても…。いくら濃霧が立ち込めていたとはいえ、誰一人として城に近づけなかったなんて変だと思わない?」


「確かに…。偶然、なんて可能性は低いかもしれないけど、一人くらいはローガスの居城にたどり着いてもおかしくないと思うけどね」


私がふと口にした疑問に、ランディは腕を組んだ。

持ってきた方位磁針も針がめちゃくちゃに振れていて、元来た道すら危うい。

一度立ち入ったら二度と出て来れないなんて言われても不思議ではないが、この樹海にはそれ以上の何かがある気がした。


その時、ふと、シドが足を止める。

彼につられて立ち止まった私とランディは、きょとんと先頭の彼を見上げた。


「どうしたの?」


「城でも見えたのかい?」


しかし、ひょいっ!と彼の背から顔を出し、目の前に視線を向けた瞬間。

私たちの目に飛び込んできたのは、身の毛もよだつような光景だった。

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