365日のラブストーリー
「その前に、この間俺が言っていた『提案』を聞いていただけますか?」
「あ、お礼の件ですね。それはもちろんです、わたしにできることなら何でも!」

「つきあっていただきたい場所がありまして。今度の土曜の朝なんですが」
「えっ、朝ですか?」

「少し早いです。七時待ち合わせでも大丈夫ですか。移動も含めて三時間ほどで用事は済みますが」

 まさか休みの日の予定を訊かれることになるとは思わなかった。心暖の風邪が治ったらあらためて出かけるというような話をしていたが、今週の土曜日と日を決めているわけじゃない。それに、もし千晃から誘われることがあっても、十時に家に戻れるならどうにかなるはずだ。

「それなら、はい」
「詳細はメッセージで送ります。連絡先はこの番号で大丈夫ですか?」

「大丈夫です。すみません、神長さんから名刺いただいておきながら、自分のも渡さずに。……あ、それでお金は」
「会社での受け渡しはできれば避けたいので、土曜日にでも」
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