クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!
抜け駆けプロポーズ

梅雨の始まり

大下さんの海外出張が終わったと思ったら、今度は長田さんが学会重なり不在となる。
【医者にとっての出張みたいなもので、研修とかディスカッションの場。あとたまに不倫旅行とかもある。大下と楽しんで】

らしいような
らしくないような書き込みをグループラインに書き込む長田さん。

だから私は今夜大下さんと食事の約束をしていた。

忙しい仕事がひと段落した午後3時。
イスに深く背を預け大きく伸びをする私。

居酒屋デートで寂しい顔を見せていた長田さん。
上から目線の俺様のくせに
妙に甘ったれで
寂しがり屋で真面目で
自分に自信のないへタレで
ドSを装うドM野郎かもしれない。

頭の中が長田さんでいっぱいになってるかも
どうしたんだろう私。
梅雨のせいか……関係ないか。

「緒方さーん」
雨に濡れたスーツを気にしながら、後輩営業マンがフロアに戻ってきた。

「本店に挨拶行ったけどヤバいっすよ。話をつけてた若夫婦が旅行に出かけていて、機嫌の悪い親父さんが猛獣のように俺の顔を見て文句ばっかり言うんですよー」

「顔が小動物系で可愛いからとか?」
泣きつく後輩に私が答えると、周りが爆笑する。



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