翌日の日曜日。
梓はベッドの上に正座して、スマートフォンの連絡先を開いてはホームボタンを押して消すのを繰り返していた。

相手は一樹。

昨日のドタバタに付き合わせた謝罪と、デートのお礼を改めてしたいが、なかなか思い切れない。
自分の心にある想いに気づいたせいもあるのだろう。連絡先にある一樹の名前を見るだけで胸が高鳴った。


「えぇい、もう迷っていても仕方がない」


自分を鼓舞して、電話番号をタップする。
数コールで一樹が出ると、梓の心臓がドクンと大きく跳ねた。


「もしもし、梓です」
『今どこ? まだ病院か?』


すぐにでも迎えに行くと言い出しそうな雰囲気を勝手に感じて動揺する。


「いえ、昨夜遅く自宅に帰ってきました」
『迎えに行くって言っただろう?』
「母もいたので、それはちょっと……」