「……さん、京極さん」

「んんー……」

「京極さん、起きて」


 耳元で誰かの声が目覚まし代わりのように聞こえ、寝ぼけながら目をさます。頬と両腕には人肌の体温と感触があり、私の背中にはホカホカとした温もりを感じていた。


「もう少し眠りたいなら寝てもらってても構わないんだけど。俺、起き上がりたいから、ちょっと手を放して貰っていいかな」


 かけられた言葉にハッとして顔を上げる。目を開けて最初に飛び込んだのは素肌で。宮本君の腰付近に腕を回し、しっかりロックしている。ということは、私の身体を支え背中に感じているホカホカした温かさは……宮本君の手だ。


「えぇぇ! なんで? 私の方が脱出できなくて、諦めて寝たのに。どうして、朝になったら立場が逆転してるの⁈」


 昨夜の出来事においては、私しか知らず。現状、私が宮本君に抱き着いた状態で眠っていた図と化している。

 慌てて腕を解き、パッと手を離す。何時からこんなことになっていたんだろう。これでは、私が宮本君の寝込みを襲ったみたいな状況じゃないか。

 私から解放された宮本君からは、捲れ上がってしまっていたシャツを戻しながら「駿佑の取材が終わった後、自分の部屋に戻らなかったの?」と言われてしまった。

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