言わせたいくらいに君が好き。

シタガワ

高校に入り、同じクラスになった琴乃。第一印象はただ静かな奴だと思っていた。
ところが、美術で絵を書く授業になった時、真剣に絵を描いている姿に惹き付けられた。それからは、その静かな一面に隠された情熱に目がいくようになった。琴乃は美術部で、絵を描くのがとてもうまい。誕生日は、5月2日。犬を飼っているのに猫が好き。そんな何気ないことも、知るようになった。
絵を見つめるそのきらきらとした目で、俺の事も見てほしい。
そう思ったのはいつからだろうか。気づけば琴乃のことばかり考えるようになった。
告白したのははんば琴乃を諦めるためでもあった。琴乃が俺の事を思ってくれてるとは思ってなかった。
そんな予想外のOKを貰ってから今日で2ヶ月。俺の持つ悩みとは…
「あれ以来、好きって言ってもらえてねぇよなー…」
例えばLINE。
「俺のことどう思ってる?」
なんてベタのことを聞いても。
「士輝と同じくらいだよ。」
としか返ってこない。態度や表情から好きってことは伝わってくる。だけど、やっぱり口に出して言って欲しい、複雑な男心。
「どーすっかな。」
いい案は思い浮かばず、俺はベットに倒れ込んだ。

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