【短完】赤いチェックのスカートが翻った夏が来る。
高校生の2人
「今日も暑いな」

「そうね、まぁ夏だから当然といえば当然なんだけどね。」

明日から夏休みに入るという今日、私と神楽はどこまでも続く広い海から守るように街を囲んでいる防波堤に寄りかかってアイスを食べていた。

目の前は道路なので車が通るがその風から伝わってくるのは熱気ばかりだった。

そして肌をジリジリと焦がす日差し。

見上げれば綺麗な綺麗な空色に大きな入道雲が天に向かって伸びている光景。そして後ろを振り返れば生暖かくお世辞にも素敵な匂いとは言い難い風。

その生温い風が私の黒髪と神楽の茶髪を揺らしていく。

風は気持ちよくないけれど、動く度にキラキラと光る海の波はとても綺麗だと思った。夏のこともあり人がちらほらと浜辺にいるのが分かる。

よく目を凝らせばクラスメイトが居る気がしなくも無いがそこは無視しておこう。そう、きっと勘違い。

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