異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~


 俺は上からマリーナを覗き込み、諭すように告げる。
「え? 私ちゃんと運動するよ? ご飯だって食堂いくよ」
 マリーナは枕の上でゆるゆると首を振る。
「だーめーだ! これは俺の命令だ。昨日の今日で、心身ともに消耗していないわけがない。こういうのは無理をおしても、後々いい結果にはならん。だから早めに、ゆっくりと休んでおくことがマリーナの仕事だ。いいな?」
 腰を折ると、俺の額をコツンとマリーナの額にくっつけて、念押しをする。
「わ、わかった! それじゃライ、私、もうちょっと寝るね!!」
 するとマリーナは焦ったように叫んで、勢いよく上掛けをバフンと額まで引き上げた。
 隠れる直前、マリーナの頬がなぜか、赤みを帯びているように見えた。
 ……平熱だと思ったが、やはり微熱があるのか?
 いや、どちらにせよ、今は休養がマリーナにとって一番の薬だ。
「ではマリーナ、少ししたら朝食を運んでくる。ゆっくり休め」
「……うん」
 俺は静かに、部屋を後にした。




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