「お昼ご飯はなにかな〜。ホワイトソースがとろ〜んととろけるグラタン、食べたいなぁ。あ、だけどカツレツも捨てがたい……じゅるり」
 朝食の後、自室に戻った私はペラペラと『テンプーラ王国うまいものガイド』をめくりながら、この後の昼食に思いを馳せていた。
 コンコンッ——。
 すると、部屋の扉が叩かれる。
「はーい」
 同室に控えていたアイーダが、扉に向かう。
「マリーナ様、失礼いたします」
 扉から顔を現したのは、 王妃付きの侍女だった。
「陛下と王妃様が、話したいことがあると姫様をお待ちでございます」
「珍しいね? なんだろう?」
「詳しいことはわかりかねます。直接伺ってくださいませ」
 なぜかここで、侍女は目を泳がせる。
 ますます、わからない。アイーダとふたり、顔を見合わせて首をかしげる。