異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~

「ライ、見ちゃ駄目! そのかわら版、誇張やら誇大やらが多くって、情報誌としてはいかがってシロモノなの!」
 私はすかさずライに駆け寄り、ライからかわら版を没収しようと手を伸ばす。
 しかしライは、確信犯的に高い位置にかわら版を持ち上げて、私の制止も聞かずに読みふける。
「ライ、返してったら!」
 私の再三の要求に応じ、ライがスッとかわら版の位置を下げる。
 私はすぐに、奪うように取り上げた。やっと、やっとライが返してくれた!
「マリーナ、なかなかどうして。このかわら版は情報誌としてこれ以上ないほどに優れている。『これぞ淑女の中の淑女』だの『人命のため、てらいなく裾よけを差し出す雄々しい勇姿』『手持ちの菓子を惜しみなく分け与える女神のような慈悲』どれもこれもが、事実を雄弁に語っている」
 っ!! しかし、ライがスラスラと諳んじる小見出しで悟る。
 時すでに遅し、ライは全文を隈なく読み終えている!
 しかしここで、ふと、ライが諳んじた『手持ちの菓子を惜しみなく分け与える女神のような慈悲』の菓子の出どころに思い至る。


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