異世界平和はどうやら私の体重がカギのようです~転生王女のゆるゆる減量計画!~
騎士宿舎へ




「へへへへへっ」
 ダイエットを開始して六日目になるこの日、羽ペンを手にした私は、いそいそと虚偽申告に手を染めていた。
「食べたもの、朝、昼、夜……以上っと!」
 あ、でも私は食べたものを書かないだけだから、虚偽申告は違うのか……?
 どっちかといえば、
「隠蔽?」
 ……うわぁ、自分で言ってみてなんだけど、どっちもあんまり褒められたものじゃない。
「でも私、運動に関してはしっかり真面目にやってるもん……」
 不真面目なのは、食べることだけ。
 本当は、出される食事だけで我慢しようって思ってた。
 ひもじくて眠れない夜も、ライが初日のコメントに書いてくれた、寝つきをよくする方法を実践して我慢しようとした。
 だけどやっぱり、どうしても駄目だった……。
 ついに耐えきれず、私は一昨日の夜、初めて厨房に忍び込んでつまみ食いをした。それっきりにしようって、思ってた。


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