福山先輩、あのね。
5.先輩の願い、わたしの願い



泣いて、泣いて、たくさん泣いて迎えた朝。

駅伝大会の日が、ついにやって来た。



「うわ~、寒いっ。これじゃ駅伝が終わるまでに凍っちゃうよ~」


マフラーをぐるぐると首に巻き付けながら、陽子が叫んだ。

駅伝に参加する選手は、各学年から12人ずつ。その中には、もちろん福山先輩がいる。

ほんとは先輩の姿、見たくない。
でも駅伝に参加しない生徒は、沿道から応援するように決められているから、仕方なくわたしも校舎を出た。
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