無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「そこは素直にありがとうございますって受け取っとくもんだよ」


「で、でも……」


「んー、だったら身体で払う?」


「なっ…!だ、大丈夫です、ありがとうございます」


な、なんてこと言うんだまったく…。


「ははっ、どういたしまして」


そう言ってわたしの頭を軽くポンポンと撫でた。



「先輩ってお金持ちのボンボンなんですね」


「もっと他に言い方あるでしょ。どこかの国の王子様とか?」


「じゃあ、お金持ちのお坊ちゃんなんですね」


「んー、まあ世間から見ればそうかもね。
金と女に困ったことはないよ」


うわ……すごい嫌味っぽく聞こえる。



「まあ……でも、本気で欲しいものほど
手に入らなかったりするけどね」


先輩の長い腕がそっと伸びてきて、
手のひらがわたしの頬を優しく包み込んだ。


そして、おでこに軽くキスを落としてきた。



「お礼はこれでいいや」

「っ……!」




ドキッとしたなんて、

ぜったい、ぜったい、気のせいだから……。

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