転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ
記憶が戻れば人質王女!?
「なんで……?」

 目を覚まし、天井を見上げた咲綾《さあや》は呆然とした。

 なぜ、見慣れない天井なのだろう。

 左右に視線を走らせれば、咲綾が今いるのは、小学生の頃から使っている六畳の洋室ではなかった。

 おそらく、その三倍以上の広さはある。というか、部屋の中央に置かれているベッドの周囲には、ふわふわとした薄い布がかけられている。咲綾のとぼしい語彙で表現するならば、これは、お姫様ベッドというやつではないだろうか。

 床には落ち着いたグレーのカーペットが敷き詰められている。かけていた布団はものすごく上質な布を使っているらしく、妙にツヤツヤとしている。

(……っていうか、この手!)

 その艶々とした掛布団を握っている手は、妙に小さい。首を傾げれば、視界の隅をちらりと横切ったのは、見覚えのある黒髪ではなく、柔らかく波打つ金髪。

(……どういうこと……?)

 部屋の向こう側には、ピンクの布で鏡面を覆われた可愛らしいドレッサーが置かれている。そこにかけより、鏡を覆っていた布を払いのけた。

「う、嘘でしょぉぉぉ!」

 そして、今度は絶叫した。

 鏡に映っている顔が、自分の知っているものではなかったから。
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