欲望の館~ウザい奴らは消えてゆく~

放課後

音緒はいじめの事は雁翔や剣には黙っていた。
2人も受験勉強が忙しいのに邪魔をしたくなかったから。
それに、いじめっ子が怖いとか、いじめられて辛いとか死にたいとは思わなかった。

ただ、『邪魔』だとは思ったが。


ある日の放課後、音緒は1人教室に残っていた。
いじめっ子に破られて提出出来なかった宿題を、居残りをしてやるように教師に言われたからだ。
片須と毒島は学年一の問題児。
教師も出来るだけ関わりたくないので、いじめなども見て見ぬ振りをする。

この量破くとか鬼畜かよあいつら。
つーか他にやる事無いんだな。
自分達も受験生だろっての。

音緒が書いた答えを思い出しながら空欄を埋めていると、

「い、十六夜君…」
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