悲しみの理由を忘れた少女

2節

〜再び〜

ダンッダンッダン

「莉央ちゃん、パス。」

ダダダッ
キャー

「パスパス。よしっ歩美、走れー。」

ダンッ

「シュート。」

今日は1限目から体育でバスケ。
1試合が終わり、私はコートの外に出る。

「歩美、お疲れ!」

私はタオルで汗を吹きながら由梨の横に座る。

ついこの前二年生になったばかりとうい感覚だが、もう二ヶ月が過ぎていた。

息を整えようと深呼吸をしていると、先生が笛を鳴らす。

「今日はこれで終わり。」

先生がそう言い終わるとちょうどチャイムが鳴った。

1限目が体育だったからか、それとも好きな数学が今日は2限あったからか、あっという間に放課後になった。

「もう放課後なんだ。由梨、帰ろっか。」

そう私が言った瞬間、先生が「待って。」と私を呼び止めた。
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