剛力家の三兄弟
番外編

真奈美の誕生日前日は、禎憲と二人で、ネズミランドへ行く事になった。

ネズミランドの大好きな真奈美は、目覚ましより早く目が覚め、朝から鼻歌交じりで、誰の目からも、テンション高い事は分かる。
真奈美のテンションは行くと決まった時から、上がっていた。
いや、一緒に行く相手が禎憲でなければ、こんなにテンションは上がらなかったかもしれない。

途中、小さな天使と合流するハプニングはあったが、夢の国はいつもと変わらないず、沢山のゲストを迎えていた。

「ちょっとここで待ってて下さい。私、チケット買って来ます」

「いや、チケットっは俺が買う!」

「今日は私が出します!
澪ちゃんの分は無料だし、前回は禎憲さんが出してくれたから」

「いや、今日は真奈美の誕生日祝いのつもりだから俺が出す!
それとも、高価な指輪の方が良いか?」

高価な指輪…?
それって…

「…じゃ、っじゃ、チケットでお願いします・・・」

だが、禎憲はメインエントランスにあるチケットブースでは無く、メインエントランス脇にあるイーストゲートへと向かった。

え?
チケットならここで…

「早く来いよ?」

戸惑っている真奈美へ禎憲は声を掛けると、澪を抱いたまま、スタスタと歩いていく。真奈美が走り追いついた時には、既に受付で、年パスのツーパーク用を申し込んでいた。
それを知った真奈美は、猛反対した。

「ちょっと、いくらすると思ってるんですか!
1万2万円で買えないんですよ?
簡単に買わないで下さいよ!」

私達の仲は、プレゼントに何万もかける仲じゃない!

「うるせぇーなぁ、こんな所で金の話してると恥ずかしいだろ?」

確かに若い女性からの視線は感じるけど…





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